中島京子の小説『長いお別れ』を映画化した作品。
ゆっくりと記憶を失っていく父との7年間。
次女・芙美役を蒼井優、長女・麻里役を竹内結子が務め、ほか、キャストは、松原智恵子、山﨑努、北村有起哉、中村倫也など、豪華なものになっていました。
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映画『長いお別れ』作品情報
父の70歳の誕生日に久しぶりに集まった娘たち。そこで、父が認知症になったと母から告げられる。それぞれに悩みを抱える娘たちだったが、父が次々と巻き起こす思いも寄らない出来事に驚きながら、父の変わらない愛情に触れ、少しずつ前に進んでいく。
出典：U-NEXT
キャスト
- 東芙美：蒼井優
- 今村麻里：竹内結子
- 東曜子：松原智恵子
- 東昇平：山﨑努
- 今村新：北村有起哉
- 磐田道彦：中村倫也
- 今村崇：杉田雷麟（少年期：蒲田優惟人）
スタッフ
- 監督：中野量太
- 原作：中島京子
- 音楽：渡邊崇
- 脚本：中野量太、大野敏哉
映画『長いお別れ』ネタバレあらすじ
東芙美は、父親の東昇平、母親の東曜子と暮らしていて、結婚してアメリカで暮らしている姉の今村麻里がいます。
さて、久々に家族がみんなそろうことになりますが、ここで娘たちに、東曜子から、東昇平はアルツハイマー型認知症だと告げられることに。
その後、旦那の今村新とうまくいっていない今村麻里が、息子の今村崇とやって来ると、東昇平は孫であるにもかかわらず、彼に当惑してしまいました。
やがて、現在と昔の区別もつかなくなって、東曜子にむかってプロポーズしてしまう、東昇平。
一方、東芙美は、磐田道彦と交際していました。
そんななか、東昇平は、万引きをしてしまったりと、大変なことに。
さらに東芙美が、磐田道彦と破局してしまいます。
みんなが心配する中、東昇平は勝手に遊園地に出かけてしまいました。
それからも東昇平の症状は深刻化していき、東曜子も病気で入院してしまうことに。
こうして東昇平の世話は、東芙美がせざるを得なくなったのです。
そのころ今村麻里は、今村崇が不登校だったと分かり、深刻さが伝わらない今村新に怒ります。
さて、骨折してしまった東昇平は、たまたま東曜子と同じ病院へ。
やがて東昇平は誤嚥性肺炎を発症してしまい、意識を失ってしまいました。
東昇平はとうとう亡くなります。
今村崇は、不登校気味だったものの、校長と会い、祖父の死を慰められるのでした。
東昇平の行動
映画『長いお別れ』では、アルツハイマー型認知症の東昇平がキーパーソンとなりました。
彼は元中学校校長だったため、読書家でもありましたが、症状の悪化から、本をさかさまにしたり、ページを食べるといったことをしてしまいます。
しかし、劇中で見られた東昇平の行動には感動的なものも。
たとえば、カレーを売って働く東芙美が近隣住人たちからカレーを求められると、みんなを整列させたり、勝手に行った遊園地で昔の家族との思い出に浸っていったり。
いくら病気によるものとはいえ、泣けますね。
東芙美の戦い
病気の父親のことをけっして見捨てることなく、最後まで立ち向かった東芙美の奮闘ぶりは、映画『長いお別れ』でも、とりわけ涙を誘うものとなりました。
とくに病気で東曜子が入院してしまってからの、東芙美の戦いは大変でした。
東昇平の下の世話まですることは、あまりにも心身ともに荷が重かったからです。
東曜子も、東芙美に東昇平の世話はできないと、自身が病気であるにも関わらず、入院することを拒んだほどでした。
それでも結局、東芙美は、東曜子に変わって働きましたから、けなげで立派ですよね。
今村麻里の苦悩
映画『長いお別れ』のメインキャラクターのなかで、忘れられない存在として、今村麻里がいます。
旦那の今村新の仕事の関係でアメリカに住んでいる、今村麻里。
しかし、今村新とはうまくいかず、息子の今村崇も不登校と、東昇平のことを抜きにしても、頭痛の種は絶えません。
が、なんといっても、自分がアメリカにいて、東芙美に東昇平のことを任せざるを得ないのが、今村麻里にとって何よりも苦痛なのでした。
今村崇の件で学校に面談に行った際には、感情的になってしまいますから、介護の現場にいないとはいえ、彼女も大変だったのですね。
映画『長いお別れ』感想
このように、映画『長いお別れ』はけっして笑えるようなタイプの作品ではありません。
しかし、鑑賞後に得られるものはあまりにも多いと言えるでしょう。
アルツハイマー型認知症、家族の絆、人間関係などなど。
いつもよりもっと充実した映画体験をしてみたいという方には、もってこいの作品であるといえます。
東芙美役の蒼井優さんや、東昇平役の山崎努さん、東曜子役の松原智恵子さん、今村麻里役の竹内結子さんの演技力も、もちろん必見ですよ。
映画『長いお別れ』視聴者の声
長女も次女もいろいろあってとても味わい深い話でした。
長女は、外国勤務になった夫についていって外国暮らしになるのですが、そのなかで夫とうまくいかなくなって、息子も不登校で…という話なのですが、その夫とすぐ離婚とかではなく、なんとかしようとしているところがリアルでいいなと思います。
夫もどうにか自分の態度を改めようとしているところもあって、この二人にうまくいってほしいなと思ったり、別れた方がいいのかなと思ったり、そんな気分でした。
次女についてもカレーが売れたり、でもそれですぐに軌道に乗るとかもなくてそういうもんだよなと思いました。
また、家に病気の人がいると、結局自由の利く人がいるのがよくて、なかなか正社員とは難しいというのもあるあるでした。
お父さん役の山崎努さんは、まじめな感じもお茶目な感じもする人なので、お父さん役がすごく似合ってたと思います。
孫と交流するところがよかったです。
わかっているのか否かはわかりませんでしたが、孫にとってとても印象深いおじいちゃんだったと思います。
結構長いスパンの話で、とてもおもしろかったです。
ほんとの認知症はいろんなタイプがあるから、すべてがこんなに穏やかにいくかっていうとそうではないと思うけど、この家族にとってはちょっと離れ離れだったのが、父の介護を通して連絡を取り合うようになって良かったのかもなと思いました。【30代女性】
長いお別れという映画は母の愛が詰まった映画でした。
どんなに認知症が進んでも、声を荒げることは決してなく、
自分のことよりもいつも父のことを大事に思い、優先させて、すべてを愛で包み込みます。
そんな母に愛された父も、母のこと、娘たちのことをとても愛していました。
どんなに認知症が進んでも、家族を思い、心のどこかで家族のことをずっと心配していました。
縮んだ脳に、母と娘たちを愛する気持ちは残っていたのです。
誰しも自分にコンプレックスを持っています。
自信がなくて、孤独を感じることがある。
しかし、同時に誰しも心のどこかで誰かを想う愛がある。
「長いお別れ」はそんな誰しもの心を愛でいっぱいにする映画でした。【30代女性】
ゆっくり記憶を失っていく父親との別れまでの7年間を描いている映画であり、認知症になってしまったお父さんを描いているわけです。これはとても辛いことだと思いますし、実際に自分の家族がそういう状態になってしまったとしたら自分の中ではかなり悲しい気持ちになってしまうと思います。
はっきりって絶望的な気持ちになり、自分の中でどうしていけばいいかと言う整理がつかないと思いが出て来ると思います。
「長いお別れ」評価
感動的で良い映画だと思いますし、実際に認知症患者を抱える家族が励まされるということがあるかもしれません。
辛いシーンもありますが、そのシーンを見ることで頑張れと応援出来て良いです。【30代男性】
映画「長い別れ」を観た感想は、「本当に認知症って辛いし、苦しいし、悲しいな」と思いました。自分の親も、この映画の昇平さんくらいの年なので、タイムリーに感じることも観ていて多く、思わず感情移入してしまいました。
父親が認知症になったことで、ばらばらになっていた家族が集まり出すというストーリーに、とても家族愛を感じましたし、心温まりました。この映画の良かったところは、「認知症の介護の苦労を描いていない」ことです。認知症患者に対して、周りの思いや生活の変化、ばらばらだった家族がひとつになっていく様を描いているので、観ていてもぐったりしてしまうほど重すぎず、泣けますし、ほっこりもする映画になっています。【30代男性】
長いお別れは、認知症になってしまった男との最後の別れを描いた作品であり、家族たちから見たその男の最後のお別れまでを描いている作品です。
私はパンフレットを買って中を詳しく見ましたが、やはり認知症になる人とはゆっくりお別れをしていく準備のようなものだと思えば良いと言うようなことがパンフレットに書いてありました。
なるほど、その通りだと私は思いましたし、そう思うことで故人と別れる準備ができるのだなと私は思いました。もしご家族に認知症の方がいるのでしたらとても大変な思いをしていると思いますし、辛い毎日を送っていると思いますが、それは病気が言わせていることだと思えば何とかやっていけるのではないでしょうか。【30代男性】
映画監督作「湯を沸かすほどの熱い愛」が日本アカデミー賞を受賞するなど、高い評価を獲得した中野監督が、認知症を患う父親とその家族の姿を描いた中島京子の小説「長いお別れ」を映画化しています。
とても考えさせられる映画だと私は思っていますし、家族に認知症の人がもしかしたら将来そういった病気を抱えてしまう人が出てくるかもしれないと思うことで身近になっていく事ができます。
なぜなら今の時代は、どのような病気にかかってしまうのかわからない時代だと思うからです。
自分が、もしくは自分たちの家族がこの病気にかかってしまったときにどう向き合っていくか考えさせられます。基本的にいい映画だと思いましたし感動的な作品です。【30代男性】
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