創価大学駅伝部のメンバーと注目選手についてまとめてみました。
箱根駅伝初出場は、2015年と最近の創価大学駅伝部。箱根駅伝2020では榎木新監督の下、出場3回目にして創部以来悲願だったシード権獲得に成功して、大きな話題となりました。
箱根駅伝2021では、2年連続のシード権獲得、さらにその上を目指す新しいチャレンジとなる創価大学。そこで今回は、創価大学駅伝部の注目選手を4名紹介したいと思います。
箱根駅伝2021 創価大学区間エントリーメンバー
12月29日に区間エントリーが発表されました。
※当日変更あり(1日につき最大4名まで、往路、復路通じて最大6名まで)
【往路】
- 1区:福田 悠一(4) 米子東高・鳥取
- 2区:P・ムルワ(2) キテタボーイズ高・ケニア
- 3区:山森 龍暁(1) 鯖江高・福井
- 4区:吉田 悠良(1) 利府高・宮城
- 5区:森下 治(1)屋久島高・鹿児島
【復路】
- 6区:鈴木 渓太(4) 東海大山形高・山形
- 7区:横山 魁哉(2) 島田高・静岡
- 8区:永井 大育(3) 樟南高・鹿児島
- 9区:石津 佳晃(4) 浜松日体高・静岡
- 10区:小野寺勇樹(3) 埼玉栄高・埼玉
【補欠】
- 原富 慶季(4) 福岡大附大濠高・福岡
- 嶋津 雄大(3) 若葉総合高・東京
- 三上 雄太(3) 遊学館高・石川
- 緒方 貴典(2) 熊本工高・熊本
- 葛西 潤(2) 関西創価高・大阪
- 濱野 将基(2) 佐久長聖高・長野
箱根駅伝2021 創価大学駅伝部注目選手
続いては、創価大学駅伝部の注目選手4名について紹介していきましょう。
原富慶季(4年)
選手としての特徴やキャラクター
創価大学駅伝部4年生の主力選手から、一人目は原富慶季選手を紹介します。原富慶季選手は福岡県久留米市出身で、福岡大大濠高校から創価大学に進学しました。
原富慶季選手入学後、創価大学駅伝部は2018年、2019年と箱根駅伝予選会突破ならず。創価大学駅伝部は1972年創部と比較的新しいチームですが、箱根駅伝初出場は2015年(総合20位)とかなり最近です。
2回目の出場は、原富慶季選手が入学する前年の2017年(総合12位)。ここから2大会は予選会を突破できず、3回目の出場となったのが、原富慶季選手が3年生だった箱根駅伝2020でした。
昨シーズンの創価大学駅伝部は、榎木和貴新監督が就任し、チーム改革に着手。その効果は絶大なもので、創価大学は往路7位、復路9位と両日で自己最高記録を更新。総合9位となり、創部以来悲願だったシード権獲得にも成功したのでした。
原富慶季選手は、箱根駅伝2020で初出走。往路3区で起用され、区間11位となっています。昨シーズンの原富慶季選手は怪我から復帰すると、10000m28分台を記録。箱根駅伝では惜しくも一桁順位獲得はなりませんでしたが、さらなる成長を予感させる走りでした。
また、原富慶季選手の卒業後の進路については、九電工への就職が内定しているそうです。
2020年の調子や状態
箱根駅伝2020での創価大学駅伝部のシード権獲得は、大会のハイライトの一つとなりました。さらに上を見る創価大学は、出雲駅伝、さらに全日本大学駅伝初出場を目指しますが、その行く手に立ちはだかったのが新型コロナだったのです。
出雲駅伝は大会直前に中止が発表され、全日本大学駅伝も例年とは異なる予選方式を採用することになりました。通常の全日本大学駅伝予選会は6月に開催され、10000mのレースを4組行います。各校からは各組2名、計8名が出場し、合計記録の上位7校が本大会出場となるルールです。
しかし、今大会に限っては、前年1~12月までの10000m公認記録の合計で競うことになりました。そのため、創価大学駅伝部は惜しくも8秒足らず、9位で全日本大学駅伝本大会出場を逃しています。
創価大学駅伝部はそれでも悲嘆にくれず、箱根駅伝2021を見据えて練習を続けています。7月には、東京陸上競技選手権大会で2年生の新家(にいなえ)裕太郎選手が3000mSC(障害)に出場し、自己ベストで初優勝。
3000mSCに強い選手は箱根の山にも強いことが多く、新家選手は箱根駅伝2021で5区を目指して頑張っています。しかも、個人練習だけで自己ベストというのですから驚きです。
こうした後輩の活躍に、4年生の原富慶季選手も刺激を受けていることでしょう。10000mの自己ベスト28分49秒57の原富慶季選手は、今シーズンの創価大学駅伝部の中心。箱根駅伝2021での活躍が楽しみです。
福田悠一(4年)
選手としての特徴やキャラクター
創価大学駅伝部4年生にしてエース級の実力者は、福田悠一選手です。鳥取県南部町出身の福田悠一選手は、名門・米子東高校から創価大学に入学しました。
1年生時から箱根駅伝予選会を走るなど、早くから頭角を現していた福田悠一選手。しかし、連続出場を目指していた創価大学駅伝部は箱根駅伝2018の出場権を逃すと、翌年の箱根駅伝2019も不出場。福田悠一選手は、なかなか3大駅伝を走る機会に恵まれませんでした。
ようやくチャンスが来たのは、箱根駅伝2020。福田悠一選手は予選会からチームの主力として出場し、本大会出場に貢献します。さらに、箱根駅伝2020本大会では往路4区で区間4位と、初の箱根路で一桁順位を獲得しました。
福田悠一選手の力走が光り、創価大学駅伝部は過去最高成績の往路7位、さらに総合9位と大躍進を遂げます。就任1年目の榎木監督の下、”過去最高の創価大学”と評価されていた昨シーズンのチーム。その中心にいたのが、福田悠一選手だったのです。
2020年の調子や状態
今シーズンの福田悠一選手はさらなる成長を遂げ、箱根駅伝2021でどのような走りを見せるのかすでに楽しみです。
出雲駅伝が中止となり、全日本大学駅伝も不出場だった創価大学駅伝部。大きな試合を経験していない点は懸念材料になりそうなものですが、福田悠一選手らはじめ選手たちは意に介していない印象です。
中止された出雲駅伝の代替大会という位置づけにもなった、10月のトラックゲームズ in TOKOROZAWA。創価大学、東洋大学、明治大学、早稲田大学の箱根シード4校が参加しました。
優勝は早稲田大学だったものの、創価大学駅伝部の選手たちの成長ぶりにも注目が集まります。5000mでは福田悠一選手をはじめ、石津選手(4年)、中村選手(4年)、三上選手(3年)らが自己ベスト更新。さらに、10000mでは2年生の新家選手が自己ベストを出しています。
さらに、福田悠一選手は、先日開催された八王子ロングディスタンスで10000m28分19秒23と自己ベストを更新しました。これは、すごいタイムですよね。やはり、この記録は創価大学駅伝部の歴代最高タイムだそうです。
今シーズンの創価大学駅伝部は、福田悠一選手だけではなく、右田選手や石津選手ら箱根駅伝2020を経験した実力のある4年生中心の構成となっています。充実した戦力で、2年連続のシード権獲得に挑みます。
嶋津雄大(3年)
選手としての特徴やキャラクター
箱根駅伝2020での創価大学駅伝部シード権獲得の立役者となったのが、3年生の嶋津雄大選手です。東京都町田市出身の嶋津雄大選手は、都立若葉総合高校から創価大学に進学しました。
2年生だった嶋津雄大選手にとって、初出走となった箱根駅伝2020。2年生ながらその実力を買われ、復路10区のアンカーで起用されます。
往路7位と過去最高成績を記録した創価大学でしたが、復路では10位でスタートし、終盤まで11位から上に上がれないレース展開となります。創部以来初のシード権獲得が見えていた創価大学にとって、終盤まで苦しい状況でした。
9区石津選手(当時3年)から11位でタスキを受けた嶋津雄大選手は、激走で2人を追い抜き復路9位でゴールし、創価大学初のシード権獲得に導いたのでした。この時、嶋津雄大選手はなんと区間新記録での区間賞を獲得。10区での記録更新は、13年ぶりという快挙でもありました。
箱根駅伝2020と言えば、ナイキ社の厚底シューズも大きな話題になりましたよね。異例の記録ラッシュの要因に挙げられましたが、嶋津雄大選手は足元でも話題になります。
区間新記録を更新した嶋津雄大選手でしたが、何と履いていたのはあのナイキ社製厚底シューズではなく、ミズノ社製の新シューズだったのです。嶋津雄大選手は履いた瞬間に「これだ!」と思ったそうで、ミズノ社の高反発性を売りにした試作品モデルで箱根路を走りました。
2020年の調子や状態
3年生となった、嶋津雄大選手。箱根駅伝2020での鮮烈なデビューから、新シーズンの活躍が期待されていました。しかし、7月には春先に創価大学を休学したというニュースが飛び込み、駅伝ファンを心配させます。
休学の理由は、「網膜色素変性症」という目の病気です。嶋津雄大選手は生まれつきこの病気を患っており、周囲が暗いところでは見えにくくなるそうです。
そのため中学や高校時代は、明かりが乏しい早朝や夜間の練習では、一人廊下で走ることもあったとか。創価大学進学後はグラウンドに照明が設置されていたため、こうした心配はなく練習に取り組めていたそうです。
全日本大学駅伝本大会に届かなかった創価大学ですが、嶋津雄大選手の休学も響きました。新型コロナの影響により、今大会は昨年の公認記録によって本大会出場校を選手する異例のルール。
休学した嶋津雄大選手の記録が使えなかったため、創価大学は全日本大学駅伝初出場を逃したのです。それだけ、嶋津雄大選手の存在感が大きかったということでもあります。
その後、10月に嶋津雄大選手が復学したというニュースが届き、駅伝ファンを安心させました。嶋津雄大選手は駅伝部にも復帰し、練習にも参加しています。
トラックゲームズのメンバーには入りませんでしたが、箱根駅伝2021へ向けて調整に取り組んでいるそうです。
フィリップ・ムルワ(2年)
選手としての特徴やキャラクター
創価大学駅伝部の2年生からは、スーパー留学生のフィリップ・ムルワ選手を紹介します。ケニア出身のフィリップ・ムルワ選手は、母国のキテタボーイズ高校を卒業後に、創価大学に留学しました。
1年生から、走るごとに記録を伸ばし、期待の留学生として注目されます。日本インカレ2019では10000mに出場すると、28分38秒32の自己ベストで全体2位となりました。10月の日本体育大学長距離競技会では、5000mでこちらも自己ベストの13分37秒70を記録。
箱根駅伝2020出場も予想されましたが、本番では補員登録となり、初出走とはなりませんでした。もし出ていれば、きっとすごい走りを見せてくれたことでしょう。
2020年の調子や状態
まだ2年生のフィリップ・ムルワ選手ですが、昨シーズン以上に成長しており、創価大学駅伝部のさらなる躍進には不可欠な存在となっています。
9月の日本インカレでは、昨年に続いて10000mに出場。フィリップ・ムルワ選手は全体2位となる28分06秒52を記録しました。日本人トップとなったのは、駒澤大学の大エース・田澤廉選手です。
駒澤大・田澤選手は全体4位で、フィリップ・ムルワ選手との差はおよそ16秒。すでに大学駅伝界のスターと呼び声の高い田澤選手ですが、フィリップ・ムルワ選手はさらにその上なのです。
ここまでですでに驚異の成長を遂げている、フィリップ・ムルワ選手。しかし、その成長は止まることを知らず、11月に開催された八王子ロングディスタンスでさらに自己ベストを更新しました。
10000mに出場したフィリップ・ムルワ選手は、27分50秒43と、27分台を出したのです。箱根駅伝2021でさらなる上を目指す創価大学駅伝部にとって、フィリップ・ムルワ選手の走りは大きな力となるのは間違いないでしょう。
「走っている時が一番リラックスできる」と語るほど、走るのが大好きなフィリップ・ムルワ選手。楽しそうに箱根駅伝2021を走る姿が、今から待ち遠しいですね。
以上、今回は創価大学駅伝部のメンバーと注目選手についてまとめました。
まとめ
- 創価大学は1972年創部
- 箱根駅伝初出場は2015年、箱根駅伝2021で2年連続4回目の出場
- 箱根駅伝2020では総合9位となり創部以来悲願だったシード権を獲得
- 4年生の中心選手である原富慶季選手は箱根駅伝2020で初出走
- 4年生福田悠一選手の10000m自己ベストは28分19秒23
- 3年生の嶋津雄大選手は箱根駅伝2020でアンカーを務め、区間新記録で区間賞を獲得
- 留学生の2年生フィリップ・ムルワ選手は10000mを27分台で走る
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