映画の題名にもなっている「アルキメデス」とは、古代ギリシアの優秀な数学者のことです。
この作品は漫画「アルキメデスの対戦」が2019年7月に実写映画化され、層々たるメンバーで制作されました。
原作は優秀な弁護士が落ちこぼれ三流高校の学生を東大合格へ導く漫画「ドラゴン桜」の作者、三田紀房氏の同名の作品です。
作品は昭和8年を中心に描かれています。
「アルキメデスの対戦」では現存する昭和レトロな場所でロケが慣行されました。
今回は映画の序盤で主人公、櫂直(かい ただし)と日本海軍山本五十六が出会った料亭のロケ地について調べてみました。
アルキメデスの大戦の料亭は桑名市の鯉料理大黒屋
昭和20年、冒頭で衝撃的な事実を再現するところから始まります。
日本の精鋭だった戦艦大和が、アメリカ空軍の戦闘機の大群にミサイルを落下され、海軍兵の努力もむなしく沈没してしまいました。
遡ること昭和8年、日本海軍では老朽化した船の交代船を制作するにあたり、「軍艦派(大鑑巨砲主義)」と戦闘機を海の上で発着陸させる「空母派」(航空主兵主義)が対立していました。
山本五十六(舘ひろし)率いる空母派は、やや劣勢を強いられていました。
それは、軍艦派が異常に安い制作費用を見積もっており、さらに軍艦であることが国内外に日本に強さをアピールするものだと頑なに譲らなかったのです。
会議の後、空母派のメンバーである永野修身中将(國村隼)と山本、藤岡(山崎一)は作戦会議のため落ち着いて話の出来る料亭で今後の対策について食事会をします。
ですがその場で話はまとまらず、永野中将の仕切りで英気を養うことになり芸者衆を呼びます。
お願いされた料亭のおかみ(角替和枝)は、芸者衆がすべて一人のお客様に呼ばれていて今は用意できないと困り果てた様子。
ひときわ賑やかな一室に山本、藤岡が出向くと、そこには芸者遊びをしながら学生姿の謎の若者と遭遇しました。
山本五十六と元東大生で数学について飽きることを知らない主人公櫂直が出会った料亭のロケ地が三重県桑名市の老舗鯉料理店「大黒屋」でした。
過去には皇族や政治家、著名人が訪れていることでも知られています。
鯉料理大黒屋(三重県桑名市多度町)
大黒屋の建物
今回の料亭のロケ地は以下になります。
- 鯉料理 大黒屋
- 創業:江戸中期、多度神社詣での人々の旅籠屋として創業
- 住所:三重県桑名市多度町柚井1798
- 最寄駅:養老鉄道養老線多度駅
- 公式HPなし
幕末までは旅館などを営んでいたそうですが、近代に入ってからは地元の綺麗な水で育った鯉料理を出す日本割烹として定着し、現在に至っています。
広い敷地に旅館をやっていた名残りなのか、広い日本庭園もあり、大黒屋の名所になっています。
店のつくりは昭和初期に建てられたような外廊下や細かい梁の襖など当時の日本建築をそのまま今でも使用されています。
とはいえ、エアコンなどは大黒屋の各部屋に取付してますので、「アルキメデスの対戦」のロケ期間中、現在使用しているものはすべて取り外したそうです。
そして、昭和8年に大黒屋をタイムスリップさせました。
撮影時は7月、熱いさなかで俳優もスタッフも汗をにじませながら冷静を装っての撮影だったそうです。
現在、大黒屋は様々なロケ地として提供しています。
鯉料理の評判は?
三重県外からも鯉料理を食べにくるお客様も多く、トリップアドバイザーやグルメ情報などでも高く評価されている老舗料亭です。
ランチ、会席が楽しめ、鯉の臭みは無くあっさりとしていておいしく頂けるとの声が多いようです。
まったりと時を過ごしながら日本庭園を目で楽しめるお店です。
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ネタバレあらすじも合わせてご覧ください。
まとめ
菅田将暉さん演じる櫂直は見えるものをすべて数値に置き換え、数学に関連する抵抗や船の事についてもすべて独学で導き出すという人物です。
料亭でも、お座敷遊びの扇子の投げ方や、芸者達の胸を巻き尺(メジャー)で図ったりして効率よく風の抵抗を受けないように計算していた姿が印象的です。
料亭のおかみさん役だった角替和枝さんは、息子榎本佑さんと「アルキメデスの対戦」に出演されましたが、角替和枝さんはクランクアップ後にこの世を去りました。
スタッフの意向で、エンディングロールのなかで一行そっと書き加えられています。
ご近所に行く機会があったら、ぜひ映画の内容を思い出して鯉料理を召し上がってはいかがでしょうか。
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