韓国人のポンジュノ監督の「パラサイト半地下の家族」が、2019年の第72回カンヌ国際映画祭で最高賞(パルムドール)を受賞しました。
同作品は米国市場でも外国語作品としては最も興行収入を挙げた作品となっています。
韓国映画がパルムドールを受賞するのは初めてのことで、韓国映画史上の一大快挙ですし、アジア人監督が同賞作品賞にノミネートされたこと自体2人目ということで、かなりなものと言えるでしょう。
日本人には馴染みのない人も多いと思いますが、ポンジュノ監督の過去の作品について少々紹介してみたいと思います。
ポンジュノ監督作品おすすめ映画
おすすめ映画
ほえる犬は噛まない(2000)
ポンジュノ監督の長編映画のデビュー作です。
普通のマンションで飼っていた飼い犬が失踪する事件が起こります。
大学教授を目指す妻から押さえつけられた男性ユンジュ(イ・ソンジェ)と経理担当のいまいちさえない女性ヒョンナム(ベ・ドゥナ)の視点からこの犬失踪事件を描写したシニカルなブラックコメディです。
同作品は第19回ミュンヘン国際映画祭で新人監督賞を受賞するなど多くの賞を受賞しました。
ベ・ドゥナにとっては出世作となり、その後多くの映画賞を受賞しています。
殺人の追憶(2003)
舞台は1986年、若い女性の変死体がソウル近郊の農村で発見されます。
地元刑事のパク・トゥマン(ソン・ガンホ)とソウル市警のソ・テユン(キム・サンギュン)が捜査に当たりますが…
これは韓国で実際に起きた未解決殺人事件をもとにした戯曲を原作とした作品で、緊迫した描写と現実味溢れる演出で実写化しています。
同作品は韓国映画の魅力を世界に知らしめる作品として高く評価されており、世界的にも大ヒットを記録しました。
同作品は韓国のアカデミー賞と言われる大鐘賞で最優秀作品賞を受賞し、多くの国際映画祭で上映されました。
グエムル -漢江の怪物-(2006)
ホンジュノ監督が選んだこれまでとは違った異色の作品で、巨大怪物が人々を襲うパニック・エンターテインメントです。
ソウルの漢江に突如、巨大怪物が出現し、休日を楽しんでいた多くの人々を襲います。
川辺で店を出していた男性カンドゥ(ソン・ガンホ)の娘・ヒョンソ(コ・アソン)も怪物に捕まってしまい、父のカンドゥが怪物と闘うことに…
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズなどで活躍したWETAデジタルが怪物のデザインを担当、ポンジュノ監督の手腕が見事に表現された作品です。
母なる証明(2009)
3年ぶりとなるホンジュノ監督の長編映画で、息子の為に奔走する母を描いたサスペンスです。
ある日女子高生が殺害され、母と一人息子でつつましく暮らしていた息子のトジュン(ウォンビン)が殺人容疑で逮捕されます。
母のヘジャ(キム・ヘジャ)は警察も弁護士も頼りにならないと悟り、自分で息子の無実を証明しようとし…。
本作品は第4回アジア映画祭で作品賞を受賞するなど、各国の映画祭で好評を得ています。
特に本作品はウォンビンが兵役を終えて初めての作品でもあり、またキム・ヘジャは韓国を代表する大女優という事もあって大きな話題となりました。
スノーピアサー(2013)
韓国・アメリカ・フランスの合作で、ポンジュノ監督としては初の英語作品。フランスのグラフィックノベルを実写化したもので、近未来に起こりうる氷河期に生き残った人類を乗せた列車で繰り広げられる抗争を描いたSFエンターテインメントです。
時期は2031年、地球温暖化防止の為に使用された薬品が、今度は氷河期を引き起こします。
生き残った人類をを乗せた列車「スノーピアサー」では、富裕層が前方列車を支配し、後方列車の貧しい層の人たちは奴隷のような処遇を受けます。
これに憤慨した男性カーティスが反乱を起こします。
本作品にはクリス・エヴァンス、ティルダ・スウィントン、ジェイミー・ベルなど欧米の豪華キャストが出演し、韓国からもソンガンホが出演します!!
海にかかる霧(2014)
不況にあえぐ漁船の乗組員は、仕方なくお金を稼ぐために中国の密航者たちを乗船させます。やることは単純な運送作業に過ぎなかったはずですが、悪天候に見舞われ、更には捜査船に追いかけられるなど、事態はとんでもない状況へと追い込まれていきます。
本作品はテチャン号事件を戯曲にした作品をポンジュノがプロデュースした作品で、監督は「殺人の追憶」の脚本を書いたシン・ソンボ。
元アイドルグループのメンバー、ユチョンの映画デビュー作でもあり、第51回大鐘賞新人男優賞など多数の賞を受賞しています。
オクジャ okja(2017)
本作品は世界190ヵ国で配信事業を展開しているNetflixのオリジナルで、ポンジュノ監督とプランBエンターテインメントがタッグを組んだ作品です。
謎の生物オクジャと山村で静かに暮らしていた少女ミジャ(アン・ソヒョン)。
そこに大企業の計画でオクジャが連れ去られてしまします。
ミジャはオクジャを救うためにニューヨークに向かい…。
少女が現代社会の私利私欲に渦巻く闇に巻き込まれながらも奮闘していきます。
リリー・コリンズ、ジェイク・ギレンホールなど欧米の豪華キャストが出演し、第70回カンヌ国際映画祭ではネット配信作としては初めてコンペティション部門に出品されて話題を呼びました。
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まとめ
以上、簡単ですがポンジュノ監督の過去の作品を紹介しました。
韓国に住んでいる私の友人からの情報によると、ポンジュノ監督は、韓国では左派を代表する文化人として保守政権の時に要注意人物としてブラックリストにも上がっているそうで、このことは日本でも知る人は知っていると思います。
彼の話によると、最近の韓国映画(韓国人監督が作った作品、特に映画!)はバリバリ政治色が濃い映画ばかり!!なので見ないそうですが、実際には人気がかなりあって観客動員数もかなり多く、若者は映画でかなり影響受けているようだと言います。
私の個人的感想としても確かに見たら面白いのが多いのは間違いないんですがね。
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